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アクサン記号
アクサン記号は、綴り字の発音を表すための補助記号です。まずは、記号の読み方から学びましょう。
- ´
- 〔アクサンテギュ〕鋭アクサン記号です。
- `
- 〔アクサングラヴ〕重アクサン記号です。
- ^
- 〔アクサンシルコンフレクス〕曲アクセント記号です。語源(ラテン語や古フランス語)にあった音が脱落したことを示している場合が多いです。
それでは、具体的に文字にアクサン記号をつけてみましょう。
まずは、最も使用頻度の高いeを見ましょう。
- é:閉口音[e](ドイツ語のEと同じ音)を示します。口を横に開く〔エ〕です。
- è:開口音[ε](ドイツ語のÄと同じ音)を示します。口を縦に大きく開く〔エ〕です。
- ê:開口音[ε](ドイツ語のÄと同じ音)を示します。口を縦に大きく開く〔エ〕です。
次にaを見ましょう。
- à:口を横に開き、口の前のほうから出す〔ア〕です。
- â:口を縦に開き、口の奥のほうから出す〔ア〕です。
なお、a自体は上記のどちらにもなり得ますが、原則としては「à」の発音です。
次にoを見ましょう。
- ô:口をすぼめて突き出しながら出す〔オ〕(閉口音)です。
これに対して、oは基本的に口を開いて出す〔オ〕(開口音)です。但し、閉口音の場合もないわけではありません。
最後にù・ûとîですが、これは記号をつけない場合と変わりません。同綴語を区別したり、îについては語源を表示するために用いられます。また、ù・ûが単独で出てくることはありません。
ちなみに、アクサンシルコンフレックスは、かつて存在していたSが省略されたことを示している場合がほとんどです。
- âne <= ラテン語のasinusが語源。
- château <= ラテン語のcastellum(castrumの矮小形)が語源。
- gâteau <= 古フランス語のgastelが語源。
- pâte <= ラテン語のpasta(もともとは古典ギリシャ語)が語源。
- arrêter <= 古フランス語のarresterが語源。
- bête <= ラテン語のbestiaが語源。
- être <= 古フランス語のestreが語源。
- fenêtre <= ラテン語のfenestraが語源。
- forêt <= 俗ラテン語のforestaが語源。
- pêche <= ラテン語のpersicus(ないしpersica)が語源。
- tempête <= ラテン語のtempestasが語源。
- tête <= ラテン語のtestaが語源。
- aîné <= 古フランス語のaisnéが語源。
- dîner <= 俗ラテン語のdisjejunareが語源。
- île <= ラテン語のinsulaが語源。
- maître <= 古フランス語のmaistre(ラテン語のmagister)が語源。
- naître <= ラテン語のnascereが語源。
- côte <= ラテン語のcostaが語源。
- hôte <= ラテン語のhospesが語源。
- nôtre <= ラテン語のnoster / nostra / nostrumが語源。
- tôt <= 古フランス語のtostが語源。
- vôtre <= ラテン語のvoster / vostra / vostrumが語源。
それ以外の場合:
- âme <= ラテン語のanimaが語源。
- boîte <= 俗ラテン語のbuxidaが語源(ラテン語のxはcとsまたはgとsの合字なのでsの省略と言えないこともない)。
- sûr <= ラテン語のsecurus / secura / securumが語源。
- traîner <= ラテン語のtrahereが語源。
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