フランス語学習館 
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不定形

不定形は動詞の基本形です。フランス語の動詞は、活用の型を知るために、通常、不定詞に基いて次の3つに分けられます:

  1. 第一群動詞:不定形が「-er」となるもので、規則的な活用をするもの。
  2. 第二群動詞:不定形が「-ir」となるもので、規則的な活用をするもの。
  3. 第三群動詞:不規則動詞。

しかし、この分類には、いろいろ問題があります。

まず、この分類によると、不規則動詞について覚えないと第一群・第二群に当てはまるかどうかが分からないことになります。そうすると、活用の型を知るために活用の型を予め知っていなければならないことになり(自己言及的)、最初に覚えるときには不便です(ある程度の知識のある方が使用するには便利ですが)。

この場合、まず不規則動詞を学び、その後規則動詞を学ぶというほうが、論理的な順番として合理的です。しかし、すべての不規則動詞をいきなり覚えるというのもまた非効率的な作業です。そこで、有無を言わずに絶対に覚えるべき重要性の高い不規則動詞の学習を最初にもってくるのがよいと思われます。

次に、「動詞」を基準にして覚えるのは、極めて効率が悪い作業です。例えば、「envoyer」(送る)という動詞は、能動態直説法現在時制では規則的な活用をしますが、能動態直説法未来時制では不規則な活用をします。そうであれば、能動態直説法現在時制では「規則活用」と扱い、能動態直説法未来時制では「不規則活用」と扱うのが合理的です。それを、能動態直説法現在時制で「不規則動詞」と扱う意味は全くありません。

つまり、態・叙法・時制ごとに(「動詞」ではなく)「活用」を基準にして記憶していくのが、効率のよい覚え方です。

そこで、このウェブサイトでは、次のような分類をして覚えていくことにします。

  1. 最重要不規則動詞の活用:有無をいわず丸暗記すべき最も重要な動詞の活用。
    1. être:いる。ある。受動態の助動詞。完了形の助動詞。
    2. avoir:持つ。完了形の助動詞。
    3. aller:行く。近接未来の助動詞。
    4. venir:来る。近接過去の助動詞。
    5. vouloir:~したい(助動詞)。
    6. pouvoir:~できる(助動詞)
    7. savoir:知っている。~できる(助動詞)。
    8. devoir:~しなければならない。
    9. faire:する。
    10. dire:言う。
    11. prendre:(手に)とる。
  2. 第一群規則活用
  3. 第二群規則活用
  4. その他の不規則活用

こうすれば、1から3の順番ですっきりと覚えられます。場合によっては、4まできて2・3に属すると思っていたものが4に属することを知ることがあるかもしれませんが、そのときはそのときで覚えれば済みます。

前述の通り、この分類は態・叙法・時制によって変動します。ある動詞が、ある時制では第一群規則活用に分類されるが、別の時制では「その他の不規則活用」に分類されるということがあります。

ちなみに、不定形は動詞の基本形であるほか、次のような名詞形としての用法があります。

  1. 他の動詞(助動詞)の補語として用いる。
  2. 前置詞(句)の補語として用いる。

それでは、定動詞について見ていきましょう。

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